「臍帯」は、一般的に「へその緒」と呼ばれ、赤ちゃんがおなかの中で成長するうえで欠かせない組織のひとつです。
普段何気なく目にする「へその緒」ですが、どのような役割を持ち、その中がどのような構造になっているのか、詳しく知る機会はあまりないかもしれません。
この記事では、臍帯の役割や構造、そこを流れる「臍帯血」について、わかりやすくご紹介します。
臍帯とは?
臍帯は、おなかの中の赤ちゃんと胎盤をつなぎ、血液を運ぶ通り道となる組織です。
胎盤では、母体側と赤ちゃん側の間で、酸素や栄養、二酸化炭素や老廃物などの受け渡しが行われています。こうして受け渡された酸素や栄養は、臍帯を流れる血液によって赤ちゃんへと運ばれます。
臍帯の中はどうなっている?
一見すると1本のひものように見える臍帯ですが、その内部には通常、1本の臍静脈と2本の臍動脈、あわせて3本の血管が通っています。
この3本の血管によって、胎盤と赤ちゃんの間の血液循環が支えられています。
参考:Yale University School of Medicine(Harvey J. Kliman)「The Umbilical Cord」(PDF)
血管を守る「ワルトン膠質」とは?
臍帯の3本の血管の周囲は、「ワルトン膠質」と呼ばれるゼリー状の組織で満たされています。
ワルトン膠質にはクッションのような役割があり、赤ちゃんの動きなどによって臍帯が曲がったり、ねじれたりした際に、血管が圧迫されるのを防いでいます。
参考:Yale University School of Medicine(Harvey J. Kliman)「The Umbilical Cord」(PDF)
臍帯を流れる「臍帯血」とは?
臍帯の血管の中を流れている血液を「臍帯血」といいます。
出産後の臍帯や胎盤には、この臍帯血が残っています。臍帯血には赤血球や白血球などに加えて、血液の細胞をつくるもとになる「造血幹細胞」が多く含まれています。
この造血幹細胞には、新しい血液の細胞をつくる働きがあるため、臍帯血は「造血幹細胞移植」などの医療にも活用されています。